8月の「初級文法なるほどライブ講義」では、
「学習者から質問されたとき、どう説明すれば分かりやすいか」
について考えました。
その中で私が特に印象に残ったのが、
「知識が多い人ほど、そして難しい概念ほど、説明が長くなりやすい」
というお話です。
日本語教師として勉強して知識が増えれば増えるほど、
「これも説明した方がいい」
「この違いも伝えた方がいい」
「この場合についても話した方がいい」
と、伝えたいことが増えていきます。
でも、本当に学習者にとって分かりやすい説明とは、情報量の多い説明なのでしょうか。
今回の講義では、ちほみ先生の解説から「シンプルに伝える」ということについて考えました。
ゴーヤと空気では、説明の難しさが違う
最初にちほみ先生が出したのは、文法ではなく「ゴーヤ」でした。笑
そう、これです。

学習者から、
「これは何ですか?」
と聞かれたら、どう説明するか。
参加者からは、
「野菜です」
「食べるものです」
などの答えが出ました。
続いて出てきたのが「空気」です。
「先生、空気って何ですか?」
と聞かれると、一気に難しくなります。
「人間が生きるのに必要なものです」
「人間がいつも吸っているものです」
「酸素です」
など、いろいろな答えが出ました。
ここでちほみ先生が話していたのが、
学習者から聞かれるものには、目に見えるものと、目に見えないものがあり、それだけでも説明の難しさが変わるということです。
ゴーヤのように目に見えるものは、写真を見せたり指をさしたりできます。
でも、「空気」のように目に見えないものは、言葉で説明する必要が出てきます。
私はこの話を聞いて、普段何気なくしている「説明」にも、こんな違いがあるんだなと思いました。
長くなりがちな説明を、どうシンプルにするか
長い説明は生徒に届かない。
「えっと、ゴーヤですか、ゴーヤは苦くて夏に採れる野菜です」
つい私たちは、こんなふうに説明をしてしまいがちです。
しかし日本語を頑張って聞き取ろうとしている学習者からすると
この「えっと」ですら、ゴーヤの説明の一部として捉えてしまうのです。
『先生、「えっと」はなんですか?』
このような新たな疑問がでてしまうのです。
このあと私たちは、ちほみ先生から、
長くなりがちな説明を、どうすればシンプルにできるのか。
そのために、どんな考え方を持てばいいのか。
ということを学びました。
そして、シンプルに答えるための『型』を教えてもらいました。
最初は、その型に当てはめること自体に慣れていなかったり、どう当てはめればいいのかがまだつかめていなかったりして、少し考え込む場面もありました。
でも、要領が分かってくると、答えがどんどん出てくるようになります。
そこで今回は、実際の文法項目を使って、この考え方を繰り返し練習しました。
30個の文法項目を、3チームで考える
今回は、学習者から質問されそうな文法項目について、
「もし生徒からここを質問されたら、どう答える?」
を考えました。
参加者のみなさんはブレイクアウトルームで3チームに分かれ、各チーム10個ずつ担当します。
それぞれのチームで考えたあと、最後にみんなで共有していきました。
ちほみ先生は、全員で同じ問題だけを考えるのではなく、チームごとに違う項目を考えて持ち寄ることで、たくさんの考え方を一度に共有できるようにしていました。
講義の中では、
「みなさんで宝を持ち寄って、シェアして、明日からの授業に活かしてほしい」
という話もありました。
この練習の良いところは、型に慣れてしまえば、文法項目を見ながらテンポよく説明を考えられるようになることです。
そして、こうやって事前に
「この文法を聞かれたら、こう答えよう」
と準備しておくことで、実際のレッスンでも
「聞かれても大丈夫」
と思える安心感につながります。
突然質問されることへの不安が減り、教師としての自信にもつながっていく。
私は今回の講義を見て、文法知識を増やすだけではなく、こうして実際に答える準備をしておくことも、とても大切なんだなと感じました。
「知っている」と「教えられる」は違う
今回の講義でも
文法について知ることと、学習者に分かりやすく説明できることは、別だと思いました。
文法書を読んで、
「意味が分かった」
「使い方が分かった」
というところから、
実際に学習者に質問されたとき、
「どう説明すれば伝わるだろう?」
と考える。
そして今回もう一段、「シンプルに」というキーワードが加わりました。
みなさんも「シンプルか」という視点が加わることで、説明の仕方がだいぶ変わってくると思います。
自分の文法説明が長くなってしまっていないか、生徒からの質問にシンプルに答えられているか、ぜひ一度振り返ってみてくださいね。
一緒に「実際に教えるための考え方」を学びたい方へ
わくキャンの日本語の教え方講座「JIC文法なるほどプログラム」では、文法の意味やルールを学ぶだけではありません。
今回のように、
- 学んだ文法をどう学習者に伝えるのか
- 実際のレッスンで質問されたとき、どう考えるのか
- どうすれば、よりシンプルで分かりやすい説明ができるのか
- 学んだ文法を実際の会話の中でどう運用するのか
といった、「実際に教えるときの考え方」まで一緒に学んでいきます。
「文法の意味は分かるけれど、学習者にどう説明すればいいか迷ってしまう」
「生徒から質問されると、説明が長くなってしまう」
「もっと自信を持ってレッスンができるようになりたい」
という方は、ぜひJIC文法なるほどプログラムの詳しい内容をご覧ください。
まずは無料で日本語の教え方やイベント情報を受け取りたい方は、わくキャン公式LINEもご利用いただけます。






日本語教師のための役立つ学びを、公式LINEでお届けしています
教え方のヒントや、わくマガジンの新着記事、無料ウェビナー・講座・イベントの最新情報をご案内しています。
日本語の教え方を、基礎から体系的に学びたい方へ
ちほみ先生のEラーニングで、日本語のしくみと教え方を学べます。